ロマンス




揺れるバスの中で思ったんだ。


わたしの前の背もたれから覗くそのあたまがあなたのだったらいいのに。

そしたらもう少しだけこのままで、まだ座ったままで、あなたと同じところで降りるのに。

あの娘好みのあなたになんてならないでいてね、なんて思っていつもと同じ場所で降りる。



期待はずれ、一人きりの路地。

お月さまの影に隠れてキスをしようよ。そんな歌を聴きながら、叶わない思いと雲が覆いかぶさる空に目を伏せた。










あなたを好きで居て良かったな。

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CAN'T BUY MY LOVE

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